夢
息子は、音楽をやりたくて高校を辞めた。
私達、夫婦は息子のやりたいと言うことは何でもやらせた。
音楽は実際いいところまで来ていた。
お嫁さんとは中学の時から付き合っていた。子供が出来ての結婚だった。
それをきっかけに、音楽は趣味に変えた。
でも、本当に音楽が好きで、好きでやっぱり諦めきれなかったのかな?
私は、もう諦めたとばかり思っていた。
そういう息子の心の内も分からなかったバカな母親なのです。
自分は歌わなくても、売れなくても、音楽に携わる仕事をしていたかった!のかな?
息子は何も言わず、何も残さず逝ってしまいました。
ただ、数日前から数人のお友達とお別れするかの様に、食事に行ってみたり、遊んでみたりしていたようです。
警察の言う、推定時刻とやらの直前には
お嫁さんにLINEをしていました。
息子、嫁、孫の3人の写真と一緒に いつもありがとう。と!
そして、Twitterもさようならと更新されてました。
私達には何も無かったね。
お別れも、相談も、何も無かったね。
でも、まー(私の事を名前で読んでいたので、ここではこれから自分をまーと言います)は勝手に思ってるよ。
家の近くで逝ったのは、まーに最後会いに来てくれたのかな。って!
そのまま、階段を上がってきて、助けてと言って欲しかった。
出来なかったんだよね?
まーが脳腫瘍で手術した後だったから。
自分の腫瘍が悪性だったら良かったのに。
今日は、息子の大好きだったお風呂に息子と一緒に行ってきました。
遺骨をペンダントにして、いつも一緒に居るんです。
でも、やっぱり息子は居ない。
骨じゃなく、息子と居たい。息子に逢いたい。抱き締めたい。頭を撫でてあげたい。
今日も一日が終わる。やっと一日が終わる。
やっと息子に逢える日が一日近づいた。
息子とずっと一緒にいられる日が。
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